生活機能向上連携加算を算定し2年が経ちました。
加算を算定したことで改善した事例を今回は紹介したいと思います。また当加算の算定率が通所介護だと3.1%と非常に低くなっています。
・手間に比べて単位数が低い
・利用者ニーズがない
・他施設と連携したことが無く依頼に躊躇してしまう。
といったことがあげられますが、そんな面倒を押しても導入する意義はあると思います。
実際に導入してみて、入院などの方を除いて8割以上の方の筋力が向上しております。
当デイサービスでは日々、利用者様に運動や入浴、楽しみの機会を提供しており、その中でもとりわけニーズの高いものは運動になります。
自宅では運動しないけど、みんなと一緒ならやる気も出るし、やってもらうなら是非という方が多くご利用されています。それも生活機能向上加算を算定してからそのようなニーズがぐっと増えたように感じます。もちろん中には運動が嫌いでしない方もいらっしゃいますが、、、ですがケアマネさんには運動をしっかりやってくれる施設だと認知されそのような方を多く紹介していただいています。
ではまず生活機能向上連携加算がどのようなものかご紹介したいと思います。
2018年度報酬改定で新設された加算になります。2021年度に算定率の低さから算定要件の見直しがあり現在に至ります。大まかな内容としては外部のリハビリテーション専門職と連携して利用者の生活機能の向上を図ることです。
メリットとしては
1.加算が算定でき収益のアップにつながる。
2.リハ専門職がいないデイサービスでは専門職と連携することにより、より良いケアを提供することができる。
3.デイ職員のスキルアップにつながる。
4.利用者様のADLが向上し、介助など介護者の負担が軽くなる。
5.生活の質が向上し、意欲のアップにつながる。
逆にデメリットとしては上記に挙げたような、算定のしにくさや加算することで上がる利用料金の負担増くらいでしょうか。
単位数、算定要件としては以下の表になります。
うちでは近くの整形外科に依頼し、リハビリ専門職を派遣してもらっています。個別機能訓練加算は算定していないので、生活機能向上連携加算Ⅱ200単位を算定しています。利用者負担額にすると1割負担の方では210円(地域加算込み)になります。ひと月210円で専門的な指導が受けられ、ADL が向上すれば安いものです。
導入手順としては
1.近隣の医療提供施設にリハビリ専門職の派遣を依頼する。
2.届け出を管轄市町村に提出
3.ご家族、利用者様に加算算定する旨を伝え同意を得る。
4.実際にリハ職を派遣してもらい、評価を行う。(3か月に一回以上)
5.評価結果を基にリハ職と機能訓練指導員共同で計画書を作成する。
6.機能訓練指導員は評価結果、目標達成度合いを家族に報告、説明する。
7.評価を基に訓練を実施する。訓練は基本的には立ち上がりを30回、踵上げを30回ほどの運動からスタートし、回数、負荷を増やしていっています。
8.3か月に1回以上必要に応じて理学療法士と、機能訓練指導員共同で計画を見直す。
以下4~7繰り返し
一番のネックとしてはリハビリ専門職の派遣を依頼する事だと思いますので、まずはケアマネを通じて訪問リハビリや通所リハビリ、近隣の医療提供施設にコンタクトをとってみてはいかかでしょうか。
当施設でも導入時は利用者様が使っている訪問リハビリや主治医を通じて派遣の依頼を行いました。興味を持ってくれた医療提供施設に加算の概要を説明したり、委託料の話をしたりと詰めていきました。ちなみに委託料は加算の半分としています。
最初はかなりハードルが高いと思われるかもしれませんが、そこをクリアするとほとんどメリットしかありません。加算率の低さから加算を算定することで他の施設との差別化も図れます。
導入していない施設があればぜひ加算の算定をお勧めします。
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